薬価改定の内容【2020年4月~】長期収載品・その他

業界

前回に引き続き薬価改定について内容を紹介していきます。

 

 

 

 

今回は長期収載品に関連した内容です。

 

長期収載品の薬価引下げ

長期収載品の改定内容です。

長期収載品…
既に特許が切れている、もしくは再審査期間が終了しており、
同じ効能・効果を持つ後発医薬品(ジェネリック医薬品)が発売されている薬のこと。
薬価基準に長期間収載されていることから「長期収載品」といわれるようになった。

 

薬価改定での各区分ごとの品目数

  • Z2 61成分154品目
  • G1 70成分169品目 
  • G2 124成分262品目
  • C  245成分528品目

 

 

【Z2区分】後発品への置換えが進まない先発品の薬価の引下げ対象品目リスト

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000604679.pdf

 

 

【G1 G2 C区分】

後発品収載後10年を経過した長期収載品の後発品価格への引下げ 対象品目リスト

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000604691.pdf

 

↑各製品の引き下げ率のリストです。
知りたい製品があれば探してみてください。

 

 

用語解説

引用:https://gemmed.ghc-j.com/?p=17081

図は全体のイメージをつかむためのものです。
【後発品置き換え率】が2020年の薬価改定で変更となりました。

 

Z2区分

最初の後発品収載から 5 年を経過し、10 年を経過しないもののうち

後発品 への置換え率 80%未満となる先発品(希少疾病用医薬品等を除く。)

 

市場実勢価格に基づく算定値から次の率を引下げ。

  1. 置換え率が 50%未満のもの       2.00%
  2.       50%以上 70%未満          1.75%
  3.       70%以上 80%未満     1.50%

 

 

 

G1区分

最初の後発品収載から 10 年を経過した先発品(希少疾病用医薬品等を除く。) のうち

後発品置換え率が 80%以上になったもの。

6年度に「後発品と同価格」になる。

 

次に掲げる額に引下げ。

  1. G1 品目に該当してから初めて薬価改定を受けるもの
    後発品価格の加重平均値の 2.5 倍
  2. G1 品目に該当してから2年を経過した後に初めて薬価改定を受けるもの
    後発品価格の加重平均値の2倍
    以下同じ
  3. 4年経過した後
    後発品価格の加重平均値の 1.5 倍
  4. 6年経過した後
    後発品価格の加重平均値(1倍)

 

G2区分

最初の後発品収載から 10 年を経過した先発品(希少疾病用医薬品等を除く。) のうち

G1 品目以外のもの。

最終的に「後発品価格の1.5倍」になる。

 

次に掲げる額に引下げ。

  1. G2 品目に該当してから初めて薬価改定を受けるもの
    後発品価格の加重平均値の 2.5 倍
  2. G2 品目に該当してから2年を経過した後に初めて薬価改定を受けるもの
    後発品価格の加重平均値の 2.3 倍
    以下同じ
  3. 4年経過した後
    後発品価格の加重平均値の 2.1 倍
  4. 6年経過した後
    後発品価格の加重平均値の 1.9 倍
  5. 8年経過した後
    後発品価格の加重平均値の 1.7 倍
  6.  10 年経過した後
    後発品価格の加重平均値の 1.5 倍

 

 

C区分

最初の後発品収載から 10 年を経過した先発品について

もうすでに後発品価格の2.5倍以下になっているものもあります。

これについては、後発品の置き換え率に応じた補完的な引下げをおこなう。

 

「G1・G2による引下げ後の薬価」と「Cによる引下げ後の薬価」のうち、

いずれか低い薬価を適用する

 

引下げ率

  • 置換え率が 50%未満のもの         2.00%
  • 置換え率が 50%以上 70%未満のもの   1.75%
  • 置換え率が 70%以上 80%未満の既収載品 1.50%

 

後発品置換え率が80%以上になった製品

令和2年度薬価改定で後発品置換え率が80%以上になった品目リスト

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000604017.pdf

 

19年9月の薬価調査で後発品への置き換え率が80%以上だったリストが公開されました。

各社の主力だった製品がズラリと並んでました。

  • 降圧剤のブロプレス
  • ディオバン
  • オルメテック
  • 高脂血症治療薬のリピトール
  • クレストール
  • 抗血小板薬プラビックス
  • 抗アレルギー薬アレグラ
  • 喘息等治療薬キプレス/シングレア
  • 抗ウイルス薬バルトレックス
  • 抗菌薬のクラビット
  • ゾシン
  • ESA製剤ネスプ

 

これら製品たちは次回の薬価改定でG1品目に該当する可能性がありますね。

 

【新ルール!!!】
最初の後発品収載から10年を経過していない先発品のうち
薬価改定で後発品置き換え率が80%以上になったもので
次の改定でも置き換え率が80%以上の製品は、G1品目に該当することとなる。

後発品の価格帯

日本の薬価制度では、銘柄ごとに市場実勢価格を調べ、それに合わせて新たな薬価を決めています。

しかし、1つの成分に対して複数の銘柄が販売される後発品では、

価格の近い銘柄をまとめて1つの薬価とする「価格帯」という仕組みが設けられています。

薬価をわかりやすく整理し、医療機関や薬局の手間を軽減することで

後発品の使用促進を図るのが目的です。

 

20年度改定では、価格帯の集約により改定よりも薬価が引き上がることを抑制するため

改定前の薬価が価格帯の加重平均値を下回る品目について別途加重平均を行い

これを改定後薬価とする新ルールが導入されました。

参考サイト

後発医薬品の薬価|AnswersNews Plus
後発医薬品の薬価の決め方と薬価改定のルールについて、価格帯の仕組みも含めて解説します。

 

 

基礎的医薬品

基礎的医薬品対象品一覧

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000604681.pdf

 

基礎的医薬品は306成分763品目が該当。

 

下記の要件を満たすものは

最も販売額が大きい銘柄に価格を集約し、 その薬価を維持する制度。

  1. 医療上の位置付けが確立し、広く臨床現場で使用されていることが明らかであること
  2. 全ての類似薬のうち、薬価収載の日から 25 年を経過しているものがあること
  3. 類似薬がある場合には、
    類似薬の平均乖離率が、全ての既収載品の平均乖離率を超えないこと
  4. 市場実勢価格の薬価に対する乖離率が、全ての収載品の平均乖離率を超えないこと

 

不採算品算定

不採算品のため現行薬価から引上げを行ったもの

もしくは、現行薬価を維持したもの。

対象成分: 96成分

品目数 :219品目

 

 

まとめ

今回の薬価改定について

長期収載品関連を紹介しました。

 

細かい部分はまだありますが

大まかな内容は紹介できたと思います。

 

 

機会があれば診療報酬全体の改定内容についても紹介していきます。

 

それではまた!

 

 

 

 

 

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