【2020年版】MRの意識調査 ~情報提供GLとMR不要論への不安~

MR活動

前回に引き続き

MRの意識調査について紹介していきます。

 

 

ざっくり概要

ミクスonline意識調査

  • 調査機関 2020年1月22日~1月31日
  • 回答数  288人
  • 男:277人
    女:11人
  • 20代:24人
    30代:102人
    40代:98人
    50代以上:64人
  • MR:194人
    チームリーダー:48人
    営業管理職:48人

 

今回は

販売情報提供活動ガイドラインへの各社の対応や

日頃の悩みについてです。

 

 

販売情報提供活動ガイドラインへの各社の対応

2019年4月、厚労省から

販売情報提供活動ガイドラインが施行されました。

これによりMRは活動を委縮し、医師からは没個性となったとのもいわれています。

 

施行後の変化はどのようなものだったのでしょうか。

今回もミクスonlineのアンケートをもとに紹介。

 

販売情報提供活動ガイドライン施行後の変化
(ランキング形式)

  1. 未承認薬・適応外薬の情報提供の範囲が厳格となった
  2. GLの研修が行われた
  3. 情報提供資材が厳格となった
  4. 社内における営業活動のモニタリングが強化された
  5. 活動に対する社内体制が強化された
  6. 活動に使用する資材の取り扱いが変わった
  7. 医局説明会などっでの言動に気をつけるよう指示があった
  8. 営業日報の書き方についての研修があった。
  9. MR活動評価目標が変更になった

その他、「説明に使用した資材は回収するようになった」「MSLとの同行が増えた」がありました。

 

1位の全体回答率は86.1%であり、2位は80.6%、3位は71.2%とどれも高い結果です。

ガイドラインの影響が大きいことが分かります。

 

これまで、情報提供にはほとんど規制がなくやりたい放題でした。

これを行政は「患者の不利益になる」「薬剤本来の効果をみていない」と判断。

ガイドラインの施行を断行しました。

 

 

医師からの目が厳しくなる中で

説明会での言動を気をつけるようになりました。

「医局説明会などっでの言動に気をつけるよう指示があった」

この項目ではMRの回答数が65.6%と管理職よりも回答率が高かったです。

 

他社製品の添付文書と画像付きで比較してしまい

モニタリングの医師に告発されてクビになったMRがいるようです。

こんな事例があるため、MRは無難なことしか言えなくなりました。

 

 

活動のときに使う資材(パンフレットなど)も厳格化されました。

基本的に行政から承認されたデータしか掲載しなくなり

根拠が乏しい表現やデータはすぐに指摘・改善指示されるようになりました。

 

ガイドラインに対して、各製薬会社は研修や資材の厳格化などで対応。

また、部下の失態は上司の責任であるため

部下へのモニタリング(日報の整合性など)が強化されました。

 

私の営業所はまだゆるーい雰囲気なので大丈夫ですが

外資などは厳しくしており活動しづらくなってました。

 

ガイドラインによってMRは活動を委縮した結果となりました。

 

医師・MRともに不利益にならなければよいのですが…。

 

 

日報や未承認・適応外情報提供について【内資企業と外資企業の違い】

ガイドラインにより、日報の重要性が変わりました。

  • 他社の誹謗中傷
  • 未承認薬や適応外の情報提供
  • 安全性情報
  • 個人情報

上記はデリケートな部分であり、医師から求められれば話せるものもあれば

言った瞬間アウトなものまであります。

 

MRの身の潔白を証明するために日報があります。

その日の活動内容を残しておくことで

何かあった際の証拠になるとのことで、私の会社含めて

細かく記載するよう指示する会社もでてきています。

 

 

日報についてのアンケートもあります。

 

営業活動の記録の方法

  • 面談記録を毎日PCに入力(特記事項あり)
    内資 62.1%
    外資 48.6%
  • 面談記録を毎日PCに入力(特記事項なし)
    内資 20.9%
    外資 44.1%

その他、「毎日でなく不定期入力」「医師との会話内容を音声で記録」などありました。

 

内資と外資に違いがありました。

内資は「特記事項あり」が多く、外資は「特記事項なし」が多い傾向でした。

 

特記事項とは、会話の詳細や医師の反応などを日報にフリー入力するシステムです。

 

内資のほうが保守的なのか、何かあったときのために面談の内容は詳細に記録させるようです。

外資は日報の項目は選択式になっているところがあるようで、

MRの立場からすると時短になるので助かりますね。

 

 

 

また、未承認薬・適応が医薬の取り扱いにも内資と外資に違いがみられます。

 

未承認薬・適応外薬の情報提供について

  • MSLが提供する。MRは関与すべきでない
    内資 22.6%
    外資 80.2%
  • 記録を残し妥当性があればMRが提供する
    内資 40.7%
    外資 6.3%
  • MR,MSLどいらも提供する場合もある。ただし、医師・薬剤師の求めがある場合に限定すべき
    内資 30.5%
    外資 9.9%
  • 企業としては提供せず、医師や薬剤師など専門的なディスカッションに任せる
    内資 6.2%
    外資 3.6%

 

MSL(メディカル サイエンス リエゾン)とは
製薬企業などにおいて,販売促進を目的とせずに社内外において医学的・科学的な面から製品の適正使用の推進や製品価値の至適化などを支援する職種
疾患分野に対する高度な専門性と学術知識をもつ者をいう。
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)の現状と今後| JAPhMed2015| 学会レポート|THERAPEUTIC RESEARCH On-line
外資企業は、グローバル基準に沿ってMSLを整備。配置している企業が多いです。
未承認薬・適応外薬に関する情報はMSLに提供してもらっているようです。

 

厚労省は医師などから求めがあれば販売情報提供活動と切り分けることを条件に
MRを通じて「未承認薬・適応外薬」の提供は差支えないとしています。

 

ケースバイケースですが
内資のほうが柔軟に対応している印象を受けます。

不要論で悩むMR

今回、日頃悩んでいる項目についてもアンケートをとっています。

 

MRが抱える悩みや不安

(ランキング形式)
  1. MR不要論
  2. 医師の攻略・話すネタについて
  3. 自社の製品パイプラインが枯渇している
  4. 訪問規制の突破方法
  5. 会社や上司、部下に対する不満
  6. 売上やコール数など数字目標へのプレッシャー
  7. ジェネリックの使用促進など市場環境の変化
  8. 働き方・雇用環境
  9. インターネットの普及と医師の情報収集環境の変化
  10. 将来、AIにMRの仕事が奪われる
  11. 組織の管理
  12. 将来、ビッグデータの活用でMRの仕事が奪われる

 

輝ける第1位は

やはり「MR不要論」

誰もが不安に感じています。

  • IT化によって、かんたんに情報が手に入る
  • 訪問規制
  • リストラ
  • AIの台頭
  • 接待の禁止
  • MRの生産性の低さ

挙げたらキリがないです。

 

2020年に新型コロナウイルスによって

製薬メーカーは医療機関への訪問を自粛しています。

 

正直、MRが訪問せずとも売り上げは伸びている施設もあります。

小さなトラブルであれば正直MSさんでも対応可能です。

 

 

私自身も

すすも犬
すすも犬

あれ?訪問しなくても売り上げええやん

と思っています。

在宅ワークが長くなると、転職活動もしやすくなるので
今の時期、若手が多く転職しています。
一方、管理職の悩みとして
  • ジェネリックの使用促進など市場環境の変化
  • 働き方改革・雇用
  • 将来、AIに仕事を奪われる

でMRやチームリーダーより回答率が高かったようです。

 

働き方では

昔のように遅くまで仕事をさせられませんし

指導する際にハードにやりすぎるとパワハラ問題になってしまいます。

 

日々、変化していく現場をどう乗り切るかで悩む管理職が目に浮かびます。

大変ですね。

 

 

また、

  • 後発品の推進
  • エリア戦略
  • 多職種連携

と、これまでになかったスキルが管理職には求められます。

 

根性や訪問頻度、接待で成り上がってきた現在の管理職にとって

いまの時代の変化はキビシイものだと思います。

 

これを乗りきらないと最悪クビになるので勝負どころですね

まとめ

前回と今回の2部構成でアンケートの内容を紹介してきました。

 

ほんとうにこの数年で製薬業界は変わってきました。

ガイドラインの施行をはじめ、AIの台頭、働き方改革と

現場のMRや管理職が悩んでしまうのも仕方のないことです。

 

変化の波が激しいからこそ

これを乗り切ったMRは会社や医療現場に必要な人材になっていくのでしょう。

 

地域医療や医師の考えを把握してサポートできるよう

世の中の動きには敏感になっておきましょう。

 

それでも自社で働くのがイヤになったのなら

転職をおすすめします。

 

思い切って他業界への転職でもいいかもしれません。

 

転職についての記事もかいてますのでぜひ参考にしてください。

一緒に頑張りましょう!
それではまた!
働き方について

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