昨今、スマホゲームでもテレビゲームでも面白いゲームが沢山ありますよね。
パズドラやFGO、グラブル、黒い砂漠、ドラゴンクエストⅩ、ファイナルファンタジー14
etc…
いろいろありすぎて時間が足りません(´・ω・`)
そんな中
- 日常生活に悪影響を及ぼすほどやってしまう
- やめたくてもやめられない
このような経験をされた人はいるのではないでしょうか。
止められないのは【ゲーム依存症】が原因かもしれないよ
ゲーム依存症とは一体どのような病気なのでしょうか。
そして、依存とやりすぎの境目とは?
治療はできるのか。
解説していきます。
ゲーム依存(障害)とは
ゲーム依存(障害)とは…
→人間関係や健康面に問題が生じても制御がきかずゲームに没頭し続け
日常生活に支障をきたす状態。
- スマホゲームなどのガチャ課金
- オンラインゲームでの装備品を購入するための課金
のめりこみ過ぎて過剰な課金をしてしまうのもゲーム依存の1つの症状です。
身体への影響は以下の通りです。
- 視力低下・肺活量減少
長時間画面を見続けることで視力低下します。
運動量が減ることから、肺活量の減少も見られます。 - 不眠・睡眠障害
ゲーム依存症になることで、ゲームに関連する情報を脳が認識したときに興奮しやすくなり、なかなか寝付けず不眠や睡眠障害になります。 - イライラ感・衝動性
イライラしやすくなったり衝動的になります。
また、ゲームをやらないと禁断症状が生じ、
「ゲームしたいのにできない」ことに苛立ち衝動的な行動をとる場合もあります。
YouTuberなどのゲーム配信者はゲーム依存になりやすいので注意が必要です。
疫学調査
国内では国立病院機構久里浜医療センターが2019年に疫学調査をしています。
10~29歳の男女を9000人を対象に5096人(男性2546人、女性2550人)から回答。
回答者は未成年者が多くなるように設定→70%ほど。
結果を一部抜粋
- オンラインでゲームをすると答えた割合は 48.1%。
- 「一人で」のプレイが 89.1%、「現実の友人」(38.5%)
「家族」(18.7%)「ネット上の友人」(11.9%)「ネット上の見知らぬ人」(11.7%)。 - 「学業に悪影響がでたり、仕事を危うくしたり失ったりしても、ゲームを続けたか。」
「60 分未満」 1.7%、「6時間以上」では 24.8%であった。 - 「腰痛、目の痛み、頭痛、関節や筋肉痛などといった体の問題を引き起こしても続けたか。」「60 分未満」 4.3%、「6時間以上」では 40.5%であった。
- 「睡眠障害や憂うつ、不安などの心の問題が起きていても、続けたか。」
「60 分未満」では 2.4%、「6時間以上」では 37.2%であった。
平日のゲームの時間 | やめるべき時にやめられなかった(%) | 大切な活動への興味が下がった(%) |
---|---|---|
~1時間 | 21.9 | 2.9 |
1~2時間 | 28.5 | 6.9 |
2~3時間 | 32.7 | 11.1 |
3~4時間 | 34.7 | 10.0 |
4~5時間 | 43.3 | 22.4 |
5~6時間 | 37.4 | 20.3 |
6時間以上 | 45.5 | 28.9 |
出典:Nippon.com
やはりプレイ時間が長くなればなるほど
- やめられない
- 日常生活に悪影響を及ぼした
- 身体にも影響があった
でありました。
昨今、大人でもゲームにハマってしまう状況の中
子どもはまだ脳が発達しておらず自分をコントロールできない場面が多いため
大人よりゲームに依存してしまう可能性があります。
自己管理は大切ですね。
診断基準
世界保健機関(WHO)によると
(2)日常生活においてゲームの優先順位が圧倒的になる
(3)自身や家族、社会的な関係に悪影響が出ているにもかかわらずゲームを続けたり、
一段とのめり込んだりする
上記の状態が1年以上続くとゲーム依存症と診断されます。
また、米国精神医学会も最新の診断基準を示しています。
→インターネットゲーム障害として取り挙げられています。
- ゲームに囚われてしまい、ずっとゲームのことを考えている。
- ゲームを止めた際にいらいら。不安などの離脱症状がでる。
- ゲームをする時間がドンドン増大してしまっている。
- ゲームを止めようとするが、ついつい続けてしまい止められない。
- ゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味がなくなってしまう。
- 朝起きられないなどの問題を自覚しているのに、過度にゲームをしてしまう。
- 家族、治療者、または他者に対して、ゲームの使用の程度について嘘をついたことがある。
- 否定的な気分(例:無力感、罪責感、不安)を避けるためゲームをする。
- ゲームへの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、また失ったことがある
9項目のうち、1年以内に5項目以上を満たすことが条件。
ゲーム依存の原因
そもそもなぜゲームに依存してしまうのか。
原因はになりえる要素は様々あります。
ゲーム要素
ゲームには、クエストやボス撃破などの達成感や、プレイスキル向上などの成長があります。
また、仮想世界で仲間とつながる非日常感などもあります。
ハマってしまう要素は非常に多く散りばめられています。
ゲームをスタートするだけで、
- 巨大なモンスターを狩りまくる。
- 最強の格闘家になってチャンピオンを目指す。
- 壮大な大地を冒険しながら成長していくなど
平凡な日常から、ボタン一つで簡単に抜け出せてしまうのです。
自分が主人公となり、自分の判断や成長、スキルなどによって結末が大きく変わっていくゲーム要素
は、ゲームに依存してしまう要因の一つであると言えます。
環境
周囲にゲーム機があるなど、環境も重要になってきます。
子供部屋にゲーム機があると、いつでもすぐにゲームができる環境にあるため
簡単に、長時間ゲームに没頭してしまう可能性が高くなります。
両親が共働きで、家に子供だけでいる時間が多い場合も同様です。
宿題や勉強をせず、ゲームに長時間没頭した結果ゲームに依存していくのです。
このような環境では、毎日、長時間ゲームをする習慣を作り上げるようなものです。
環境によってゲームが習慣化されてしまうと、ゲームに依存していくのは簡単です。
また、スマホゲームやソシャゲと呼ばれるSNSで提供されているゲームにも中毒性がありますね。
いつでも、どこでも、気軽に時間つぶし的な感覚でゲームが出来てしまうため
PCゲームなどと比べると更に習慣化されやすく、依存性が高いと言えます。
脳内ドーパミンの分泌
ドーパミンとは脳から分泌される、快楽を司る神経物質です。
ゲームは基本的に、プレイヤーの脳を強く刺激し脳が興奮状態になるように作られています。
興奮状態になった脳は、快楽物質であるドーパミンを大量に分泌します。
ドーパミンが分泌すると、やる気が出て幸せな気分になりその結果ゲームに没頭していきます。
ただし、ドーパミンが過剰に分泌されると体内のバランスを取るために分泌を抑える機能が
体には備わっています。
大量に分泌されたはずのドーパミンが体内で調整され少なくなると
脳がドーパミンが足りていないと指示を出しドーパミンの分泌を促します。
この負のスパイラルに巻き込まれてしまうと脳が刺激や快楽を求めてしまい
ゲーム依存症になってしまうのです。
ギャンブル性
オンラインゲームの中にはいわゆる「ガチャ」という要素があります。
お金を投入してランダムでアイテムや装備品などをゲットできるシステムです。
良いアイテムが欲しい、達成感のために何度も過剰に課金してガチャをしてしまうことがあります。
- 見栄
- 精神的な安心
- 最新の武器やキャラクター
希少なものをゲットしたときは達成感や幸福感がありますし
オンラインゲームだと仲間へから褒められると嬉しいですよね。
見栄や幸福感のために課金地獄に陥るといつのまにかゲーム依存症になってしまいます。
治療はできるのか?治療の3本柱とは
ゲーム依存症への治療には様々なアプローチがあります。
- 自分が失いつつあるものを知る
ゲームプレイのために、切り詰めたり削ったりしている項目を書き出しランク付けする。 - オンラインにいる時間を知る
自分がどれだけの時間をゲームに費やしているかを明確に知るために
実際に使った時間の記録をつける。 - 時間管理法を使う
代わりにできる活動を見つける、自分の利用パターンを見きわめ、その反対のことをする、
外部からの防止策をさがす、計画的なインターネットの利用時間を予定表に書き込む。 - 実生活のなかで支援を見出す
支援グループを探す - 自分が依存になったきっかけを探す
ヤングの著書「Caught in the Net」 (1998)から引用、一部分かりやすい表現に変更
治療の3本柱とは
1:定期的な通院
ネットにのめり込んでいる時は、生活や睡眠、食事のリズムはバラバラになります。
定期的に通院することで、病気のチェックと規則正しい生活リズムをつけていきます。
ミーティングに参加しながら自己の生き方に気づき、新しい楽な生き方を学んでいきます。
自分のことを周囲に理解してもらいながら、よりよい人間関係のネットワークを築いていきます。
→家族や友人の支援が必要なので周囲への理解が大切です。
2:治療プログラム
ミーティングは、他者との関わりの中で自分自身を見つめなおし、お互いに自発的に問題解決の道筋を探すための重要なプロセスです。
まずは、自分にとって居心地のいいミーティングに参加することから始めましょう。
→ゲーム以外のコミュニティへの参加もよい方法です。
3:人間関係の再構築
ネット、不登校、いじめ、家族関係のことなど、全てをオープンに話した上で受け入れてもらえる
場所は社会にはほとんどありません。
ミーティングなどの様々なプログラムを通じて、「安全な」時間と空間を共有することで、
自分をしっかりと見つめなおしつつ、周りの人たちにありのままの自分を受け入れてもらうことが大切です。
その中で、失われてしまった人間関係を再構築していくことが大切です。
→良い人間関係ができれば、精神的にかなり楽になります。
依存とやりすぎの境界線は?
ゲーム依存症の診断基準などをみてきましたが
どこまでいけば依存なのか。
診断基準にもあるように
日常生活に悪影響を及ぼすようになってしまうと依存症です。
- スパっと止めれる
- 多少寝不足やイライラはあるが1年以上など長期間ではない
- ゲーム以外にも興味のある遊びや趣味がある
- ゲームをしている時間以外では攻撃性はない
1日や1週間など短期間でゲームに没頭することはあると思います。
私にもそういう期間はありました。
すぐに他のことができるうちはまだ大丈夫です。
半年や1年以上になると注意が必要です。
気になり始めたら家族や友達に相談しましょう。
今ではオンライン上の友達にも相談するのも一つの手です。
とにかく1人で抱え込まないようにしなくてはなりません。
ゲームは「やりすぎ」程度にしておきましょう!
まとめ
今回は「ゲーム依存症」について書いてみました。
私も一時期ゲームに没頭していた時期があり
睡眠不足など日常生活に悪影響を及ぼしていました。
「ゲーム依存症」自体、WHOでは2018年に診断基準が掲載されたように
最近になってようやく病気として認知され始めたようです。
今後5G時代の到来によって、さらに楽しい面白いゲームは増えていきます。
ゲーム依存
普通に遊んでいる分には何も心配をする必要はありません。
ここまで書いてきて思いましたが
ゲーム依存に対して敏感になって厳しく子どもにしつけをする必要はありません。
アルコール依存やギャンブル依存でも同じですが
その人の環境が悪ければ依存してしまいますし良ければ依存しません。
予防にもなるので今のうちから日々の生活を充実させておきましょう!
それではまた!
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